日経平均は再び2万円を割れる?ここから日本株が下がる理由とは
日米貿易摩擦、ブレグジット、決算シーズンを控える中、2019年に入ってから急反発している日本株式市場ですが、息切れ感が出始めています。ここから、日本株は下落するのでしょうか?今の相場を売り目線でみている著者の気になっているポイントをまとめてみました。
個人投資家の戻り売り、信用買いの解消売り
2018年末は信用評価損益が-19.21%まで急落し、個人投資家の追証祭りが発生しました。売りが売りを呼ぶ展開になり、日経は一時2万円を割り込み、値動きの激しい厳しい相場環境になりました。
しかし、新年を迎えてから状況は一転し、日経は2万5百円を回復する場面もありました。
その中、信用評価損益率は徐々に回復傾向にありますが、買い残高が急激に減っています。今朝の日経新聞によると、
市場全体をみても、信用取引で買った銘柄を処分する動きが鮮明だ。東京証券取引所が16日に発表した、11日申し込み時点の信用取引の買い残高(東京・名古屋2市場、制度信用と一般信用の合計)は2兆4605億円。前回発表の18年12月28日時点に比べて175億円減った。12月以降4週連続の減少で、1年7カ月ぶりの低水準だった。
今、マーケットが上昇する局面では信用倍率の高い銘柄の売りが発生しやすい状態なのです。
株式市場で信用取引の買い手による株価の戻りを待った売りが広がっている。16日はソニーや信越化学工業など信用倍率が高い銘柄が、日経平均株価よりも大きく下げた。15日に日経平均株価が節目の2万0500円を上回ったことで、信用買いを入れた個人投資家などが利益を確定したり、損失を限定したりする動きが活発だ。
空売り比率は上昇傾向
直近、マーケットが上昇する中で東証が発表している空売り比率は徐々に下がっていました。
しかし、ここ数日ジワジワ空売り比率が上昇しています。特に、直近2日間は日経が下がりながら空売り比率が上昇しています。出来高が少ない中、空売りの存在は小さくなさそうです。
空売り比率の推移:
2019/1/17 47.3
2019/1/16 46.3
2019/1/15 44.4
2019/1/11 44.6
2019/1/10 48
2019/1/9 44.4
2019/1/8 47.4
2019/1/7 47.7
2019/1/4 46.1
日本電産、先行き不透明感で来期予想下方修正
今日の引け後、日本で本格的に決算シーズンが始まる前に日本電産の決算が発表されました。
それが、アナリストの予想を大幅に下回る結果になってしまいました。想定為替レートは1ドル=100円とかなり保守的ですが、それを考慮しても良くない数字となりました。明日、決算後の反応が気になるところです。景気敏感株、シクリカル銘柄の重荷になるか注目です。
中国の顧客の設備投資が鈍り、主力のモーター販売などが想定より減る。構造改革費用の計上も利益を押し下げる。米中貿易戦争による需要減速が主要企業の業績を直撃した形で、18年4~12月期の決算発表シーズンを目前に控えるなか、株式市場には警戒感が強まりそうだ。